いくつもお墓があって墓参りが大変!
先日、知人が「お墓が沢山あって、お墓参りの度にお花の準備が大変なの」とため息をついていました。
知人の家は何代も前から続いている家で、古い個人墓や夫婦墓が何基も建っていて其々に仏花が必要だそうです。
また別の知人は、夫婦ともに各々の実家のお墓を継承する必要があり、「将来自分たちの子供が沢山のお墓を管理しないといけなくなる」ことも心配していました。
最近、お墓を守っていた人が高齢になって管理が難しくなってしまったり、お墓の後継者が減る傾向があります。
「一人でいくつものお墓を守らねばならない」というケースも増えてきています。
たくさんお墓を管理するというのは、精神的、体力的、金銭的にも大変な労力を使うものです。
ここでは解決策の一つとして、複数あるお墓を1つにまとめてしまうという手段を考えてみましょう。
お墓の維持を過度な負担にしないための一案です。
お墓をまとめる方法は?
お墓が分散しているパターン
複数のお墓が分散しているパターンには、主に2通りありそうです。
①一つの墓所に何基も建っているパターン
②複数の墓所にお墓が点在しているパターン
①は、同じ墓地の中にいくつかのお墓を建てている場合です。
お墓の分だけ管理費等が増えてしまっています。
この場合、夫婦墓や個人墓を代々墓というスタイルでまとめることで解決が図れます。
『寄せ墓』と呼ぶ場合があります。
より大変なのは②です。
別の墓所にお墓が存在しています。
物理的にお墓が離れているので、その分お墓参りの労力などの負担が大きくなってしまいます。
遠方のお墓がある場合は、お墓を一つの墓所に統合することで負担をかなる軽くすることができます。
【参考】→ 遠方のお墓を引越すことができるか?
お墓をまとめる手順
では、お墓を1つにまとめるためにはどのような手順で進めればよいのでしょうか。
①既存のお墓の確認
②どのお墓にまとめるか決める
③合葬をする
この流れで行います。
①既存のお墓の確認
まずはそのお墓にどのような方が入っておられるのか、確認をしてください。
墓石や墓誌に彫刻してある、戒名(法名)、俗名、没年月日、行年を読み取りましょう。
②どのお墓にまとめるか決める
お墓の確認をしたら、次はどこのお墓にまとめるのか決定します。
既存のお墓を利用する場合もあれば、新規にお墓を購入をする場合もあります。
ご先祖様の遺骨を移動するわけですから、後々のトラブルを防ぐためにも、親族間での話し合いはもちろん、霊園側の協力も欠かせません。
小まめなやりとりを心がけて、改葬手続を行いましょう。
③合葬をする
お墓をまとめます。
お墓の工事が終了したら、その墓石に先祖の魂を宿らせる必要がありますので、開眼供養を行い遺骨を納めます
既に所有しているお墓に遺骨のみを移す場合でも、新しくお墓を建立して遺骨を納める場合でも、お墓の引越し、つまり”改葬”が必要となります。
用意する書類は場所によって違う場合もありますので、役所によく相談してからにして下さい。
また、お墓をまとめるにはということは、古いお墓を撤去する作業も必要になります。
その際は作業を行う前に、仏教であればお寺の住職、神教であれば神主、キリスト教であれば神父を呼び供養をします。
閉魂式後の墓石は無縁搭に供養をしたり、墓石店に処分を頼みます。
◇お墓をまとめる費用はどれくらい必要か?
お墓をまとめる方向に魅力を感じた方が、次に知りたいのはその費用でしょう。
お寺に支払う費用と石材店に支払う費用に分類されます。
お寺に支払う費用
【お布施】
お墓をまとめる場合、上記でも説明した様に、お世話になっている寺院に様々なご供養をお願いする必要があります。
閉眼供養、開眼供養も大切な法要ですので普段の法要の時と同じように、お布施をお包みする方が多いようです。
具体的な金額をあげるならば、3万円〜5万円程度となっております。このほかにお車代やお食事代も必要です。
中には、これを最後に墓じまいをするため少し多めに包んだという方もいらっしゃいますので、無理のない範囲でお心を乗せるという方法でも良いかもしれません。
【離檀料(寺墓地)】
離檀料は、ご遺骨を移動して完全に墓じまいをすることで檀家を離れてしまう場合、これまでの感謝の気持ちをお包みする言わば御布施の一つです。
その寺院にお世話になっている檀家同士で決まった金額があったり、場合によっては離檀料を決めている寺院もあります。
実際に離檀料をお包みした方々の平均をみますと、世帯年収によって大きく幅はありますが3万円~20万円くらいを包むのが妥当なのではないかと考えます。
費用感としては、1回の葬儀で支払うお布施という感じでしょうか。
もちろんそれ以上支払う気持ちがあれば支払って問題ありませんし、中には離檀料は受け取らないという寺院もありますので0円という場合もあり得ます。
しかし、寺院によっては檀家が離れることにあまり良い顔をなさらず、法外な離檀料を請求してトラブルになったというケースもあります。
このようなことにならないためには、まずはこれまでお世話になったという感謝の気持ちと、檀家を離れなければならないご事情をよくご説明して、寺院とお互いの気持ちを通じ合わせるようにしましょう。
②石材店に支払う費用
墓石の撤去や整地、撤去した墓石の処分費用が主な内容となります。
石材店の殆どは墓石の解体・撤去から処分、整地までを全て含んだお値段で提示されると思いおります。
【墓石の撤去費用】
墓石の撤去費用は、お墓のあった区画の広さと使われていた墓石の量の大きく関わってきます。
平均的なお値段でいくと、1㎡あたり10万円前後というのが基準となり、区画の広さによってお値段も上下します。
墓地の立地条件によっては機械による作業が出来なくなるため、その場合はさらにお値段がプラスされていきます。
使わなくなった暮石は廃棄物として処分しなければなりません。
石材廃棄物は重さによって処分費用が決まっており、その相場は1tにつき3000円〜5000円となっています。
廃棄する墓石の量が多い場合はその分の費用がプラスされていきます。
尚、竿石(仏石)を永代供養に納める場合は、1体2万円~3万円が別途必要になります。
この解体〜撤去・処分までの費用としての平均な金額としては、18万円〜30万円程度でしょう。
【参考】→ 奈良の墓じまい支援(お墓の解体撤去)
【ご遺骨を新たに供養する費用】
お墓を一つにまとめた後、取り出した遺骨は新たに供養されることになります。
元々建っている墓石にまとめて納める場合、納骨室に御骨が全部納められるか確認しなければなりません。
もしも入りきらない場合は、墓石をリフォームして納骨室を広げる、もしくは御骨を細かい粒に粉骨して嵩を小さくしてから納める必要があります。
【参考】→ お墓の開運リフォーム
新しくお墓を建てる場合は墓石代が必要になります。
墓石代は100万円から150万円が一番多い価格帯となっています。
その他に、お墓をまとめられた方の中には、五輪塔や宝篋印塔といった供養塔を建てたり、墓誌を設置される方もおられます。
このような場合は、さらに価格が上がります。
どのような石材を選ぶのか、どの位の広さの区画なのかによっても違いがあります。
あくまで目安の一つとして考え、石材店に相談されるとよいでしょう。
【参考】→ 墓石購入・お墓建立支援
お墓をまとめる依頼と相談の方法
ここまでお読みいただきありがとうございました。
お墓をまとめる道筋はお伝えできたかもしれません。
しかし、いざ実行しようと思ったとき、難しさを感じたのではないでしょうか。
たとえば複数の墓所にお墓があった場合、複数のお寺や墓地の管理事務所、石材店とやり取りをしなければなりません。
お墓を新しく建てたほうがいいのかや、リフォームで済むのかも問題です。
こんなケースを、不慣れな方が自力でプランを取りまとめようとすれば、厳しい現実が待っていることでしょう。
おすすめはプロに相談し、全体のコーディネートをしてもらうことです。
最初からプロと二人三脚で、お墓をまとめていきましょう。
奈良や大阪のお墓に関わるケースでしたら、私たち「奈良のお墓のよろず相談所」がお役に立てると思います。
お気軽にお声がけください。
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よくあるご質問
Q.宗派が違うお墓を一緒にまとめても大丈夫ですか?
A.民営や公営の霊園の場合は、基本的にどの宗派でも受け入れてくれますが、寺院墓地の場合はその寺院の宗派の人の遺骨しか受け入れてくれない場合があります。
しかしこのようなケースは年々増えています。
現在の祭祀継承者の宗派はお寺の宗派と一致している必要があっても、過去の先祖の宗派は不問にする、というお寺も多くなってきています。
違う宗派の遺骨を埋葬したい場合は、まずはお寺に相談してみましょう。
Q.お墓をまとめたら罰が当たったり不幸になったりしませんか?
A.先祖代々守ってきたお墓を自分たちの都合でまとめてしまうのですから、少なからず迷いや罪悪感は生まれます。
しかし、後世でも供養をしてもらえるような状態を作っておく事はとても大切な事です。
お参りに便利なお墓に一括で納骨することによって定期的にしっかりご供養出来るようになれば、それはご先祖様にとっては良いことです。
家系が続いていけば 浮き沈みはありますから、人生においての厄年のように、陽と陰で表せば、陰の運気があたる事もあるでしょう。
ご先祖様を大切にされていれば、ご先祖様も子孫を守ってくださるお気持ちがより一層強いものになります。
そういった面でも、お墓をいじることで罰が当たったり、不幸になるといった事は考えにくいのではないでしょうか。